獣医師の給料明細
親戚に医者がいるのですが、意外に給与を貰っていないそうです。では、同じ医者の獣医師は、どうでしょうか?獣医師は儲かるのでしょうか。獣医師の給料明細を公開!
給料明細の投稿
■給与明細の投稿2
牛の獣医師で30代で年600万位。
1か月の拘束時間は約300時間以上、内、実働は200時間以上位?
夜中に急患で呼ばれて行っても、次の日の仕事は普通に仕事なので、寝れないで仕事することもあります。
先は暗いかな…
■給与明細の投稿1
初任給で年収250〜400万円、平均で300万円台というところでしょうか。
人間の医師の研修医期間と同程度と考えていただいて結構ですが、決定的に違うのは人間の経験3年の勤務医がいきなり800万円を超す高収入になるのに対し、
獣医師は勤務医であるかぎり、ずっと低賃金であるということです。
だから30台に入った5,6年目のもう一人前の獣医師でも年収が500万円に届くことはまずありません。
全国展開する動物病院の中には、50歳前の雇われ院長が年収600万円程度のところもあります。
ちなみに動物病院のほとんどは個人経営で一番多い勤務形態は
・週休1〜1.5日が一番多い
・勤務時間10〜12時間(手術が入ると無制限)
・残業手当は実質なし(手術手当等もなし)
勤務医では三流の営業サラリーマン並の収入で、人間の医師並みの難易度の仕事をしなければならないのですから(獣医師は内科や眼科など細かい診療科はなく全部やる総合科が基本)当然見合わないということで、ほとんどの人が開業に踏み切ります。
開業した場合の年収は、はっきり言ってその人の手腕次第で500万円〜2000万円と大きくばらつきがあります。
分院をいくつもを持つような巨大組織のトップになれば、億も可能でしょう。
ただ、院長は要は「社長」ですから、この収入が世間一般の「社長」と比べて良いかどうかは意見が別れるところです。
さらに日本獣医師会の調べでは、動物病院の充足率は既に97%を越しており、これから新規参入することも、今までの病院を守ることも難しいと言わざるをえない状況です。
(ただし、日本では欧米に比べてペットにかける医療費がかなり低く、例えば定期の予防接種をやっている飼い主は1割に満たないので、これが5割になるだけでもかなり市場は拡大するが…)
その他考えておくべき事としては、まず大学が難しいことが挙げられます。
大学の獣医師の卵は毎年930人しか誕生しないためです。
希望者の割に非常に狭き門のため、レベルの低い大学というのが存在せず、私立医学部、歯学部で歴然と残っている裏口入学もできません。
大学入試レベルとしては医学部とほぼ同等かやや下(同じような仕事をするのだから当たり前といえばそうですが…)、薬学部、歯学部よりも難しいという具合です。
医学部>獣医学部>薬学部>歯学部>医系技師学部>保健、看護、栄養学部代ゼミや駿台の偏差値ランキングでは概ねこのようなランキングになっています。
もちろん、勤め人としては上記のどの職業より獣医師が低賃金であることは前述のとおりです。
なぜ、こういう事になるかというと、医療というのは基本的に高度であると同時に高価であるということです。
日本は世界に優れた国民皆保険制度があるため、誰もが3割のみ負担で気軽に医療を受けられますが、実際は国が7割を補助しているわけです。
3000円の医療の裏には、実は10000円の売り上げがあるわけです。
高価な医療を、多くの人に提供することができれば、それに従事する人々の収入は高くなります。
医師をはじめ医療関係者は公費を消費しているという点では"準公務員"と言って良いでしょう。
しかし、獣医師の医療は10割負担が原則。このため、必要な予防接種も(法律で義務づけられていて罰則規定すらある狂犬病予防接種ですら4割未満!?)、病気の時の治療もなかなか受けさせようという気にならないのです。
これに利益を上乗せしようとしても、なかなか高くは設定できません。
獣医師で臨床(動物の医療)分野に進む人は全体の4割程度で、残りは一般サラリーマン並のまともな給料がもらえる企業に行ったり(研究開発など)、公務員(一般職と給料は変わらない)になったりします。
獣医師を目指すみなさん。
この世界は基本的に「好きなことを好きな人がやる」世界です。
趣味にお金をかけて趣味貧乏になっても文句を言う人はいないでしょう。そういう世界です。
TVに出てくる獣医師はほんの一部の金銭的面での成功者であって、本当に良心的な医療を動物に提供しようとする獣医は決して表舞台にはたたず、かろうじて生活を成り立たせながら街角でひっそりとがんばっているということを知って置いてください。